上行結腸がん
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特徴
体内の消化器官である大腸の一部である上行結腸ががん細胞によって侵されてしまう病態です。
大腸がんは食生活の欧米化した日本では増加傾向にあります。大腸がんには直腸がんと結腸がんがありますが、特に結腸がんが急速に増加しています。動物性の脂肪を摂ると、消化を助けるために胆汁が多く分泌されます。脂肪の消化の際に発生する物質のなかに発癌物質があり、大腸の粘膜にがんが発生すると考えられています。
大腸も他の消化器官と同じように内側は粘膜で覆われ、その下は4つの層で構成されています。大腸にできるポリープの1つで腺腫(せんしゅ)とよばれる良性の腫瘍が粘膜にできることがあります。大腸癌の多くはこのポリープが深く関係しているといわれています。粘膜から直接発生する平坦型や陥凹(かんおう)型の癌もありますが、発がんの経緯はわかっていません。
症状
大腸癌の代表的な症状は、血便、便通異常(便秘や下痢)腹痛です。
早期癌は2センチ以下の小さな癌がほとんどで、症状もないことが多く、肛門出血に気づいて検査するか、大腸癌検診で見つかるケースが増えています。
進行大腸癌では癌の部位、大きさにより様々ですが以下のような症状があらわれます。
盲腸と上行結腸の癌は、腸の内径が太く便通の異常がおこりにくいこと、この場所の便は液状であること、出血しても排便までに時間がかかるため、発見しにくい傾向があります。発見されるころには癌が大きくなり、腹部のしこり(腹部腫瘤:ふくぶしゅりゅう)や、出血による貧血がおこり、全身倦怠感が出始めて気づくこともあります。この様な状態の時は、癌で内腔が狭くなっており、腹部膨満感や無理に内容物を出そうとした結果、腹痛などの症状があらわれます。
診断
大腸癌は便潜血検査・大腸内視鏡検査を行います。
症状や病態に応じて造影CT検査やPET検査を行い部位の特定・進行の程度・転移の有無などを確認します。
治療
治療の第一選択は外科的手術です。
今日では開腹手術ではなく内視鏡下で取り去ることも可能ですが、病態や進行程度によっては開腹手術を行う場合もあります。
また、腹腔鏡切除術と呼ばれる腹壁に複数の小さな穴をあけて切除術を行う方法も確立されており、傷が小さく出血も少ないため、周りの他の臓器が外部の空気にふれなくてすむというメリットがあります。さらに、患者さんにとっては痛みも少なく、回復が早いため社会復帰も早くなります。
予防と改善
がんの1次予防とは、がんにならないよう日常生活に注意すること、2次予防とは定期的に検診を受けて、早期発見・早期治療して完治させることを言います。
1次予防の柱は食生活の改善と禁煙です。
動物性脂肪を減らし食物繊維の多い野菜などをたっぷり摂ることです。
ヨーグルトなどの乳酸菌は胆汁酸を酸化させ、腸内細菌を減らします。
カリウムはニ次胆汁酸と結合して排出させる作用があり、乳酸菌と共に大腸癌予防効果が期待されます。
また、肥満の男性に大腸がんが多いことから、運動による体重コントロールも重要です。
大腸癌はゆっくり進行するので、早期発見できれば100%完治させることが可能です。発症には遺伝的要因もかかわるため、祖父母・両親・兄弟にがん患者いる人や、40代以上の人は必ず検診を受けましょう。
「禁煙・食事・運動・検診」が大腸がん予防のキーワードです。
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