痛風発作
この疾患の診療科
特徴
痛風発作は長年に持続する高尿酸血症によって関節内に析出した尿酸塩結晶によって引き起こされるものです。しかし痛風発作を繰り返している方ほど複数の関節空内に多量の尿酸塩結晶が蓄積していることと痛風発作により血清尿酸値が変動することが原因となると考えられています。
症状
痛風発作は、耐え難いほどの激痛が母趾基節部などの単関節に1~2日間起こり、その後強い痛みが2~3日続き1~2週間ほどで症状は治まります。ピーク時の痛みは日常生活が困難になる方がいるほどです。また痛風になると、痛みを生じた箇所は赤く腫れ上がり熱感を伴うようになります。
診断
痛風発作は血清尿酸値が定値を示すこともあるため、診断は関節液内に尿酸塩結晶の有無で判断します。関節部分に針を穿刺後、スライドガラス状に滴下して偏光顕微鏡下に検鏡し、白血球に貪食された針状結晶が負の複屈光性を示せば尿酸塩と証明できます。
治療
非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)の使用やステロイド療法などさまざまな治療法があり、症状や重症度によって治療法が異なります。例えば短期間に重度の発作を繰り返す方にはトリアムシノロンアセトニドの筋注有効であることが多いです。
コルヒチンは、痛風発作の頓挫薬であり既に痛風発作を発症している患者に対しては多くの場合無効であるが、短期間に頻回に痛風発作を繰り返す患者では、「コルヒチンカバー」と呼ばれるコルヒチンの予防的投与が有効です。
尿酸降下薬を使用する場合も有りますが痛風発作の最中に尿酸降下薬を開始してしまうと痛風発作が悪化したり遷延化することが多く、ガイドラインでも痛風発作中に尿酸降下薬は開始しないこととされています。
予防と改善
痛風治療の基本と同じで適切な尿酸コントロールが重要です。経過の早い急性関節炎なので早朝から出来るだけ強力な消炎鎮痛剤などにより短期間で寛解させ再発作を抑えながら尿酸降下薬で血清尿酸値を緩徐に下降させることが重要です。尿酸降下薬開始後2ヶ月程度は痛風発作を起こしやすいため、注意が必要であるが血清尿酸値が一定値まで低下し安定すると痛風発作の頻度は減少します。
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