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変形性関節症

この疾患の診療科

特徴

関節にある軟骨は、手や足にかかる衝撃を吸収したり、手や足をスムーズに動かす役割があります。なんらかの原因で、この関節軟骨が変化しすり減ると、軟骨どうしがこすれて炎症が起こり、痛みが起こります。
これが変形性関節症の痛みの原因です。

症状

関節周囲の痛み、腫れ、引っ掛かり感、違和感などがあります。
初期には痛みは関節を使いすぎた後に生じ、安静でおさまります。進行すると軽い運動や安静時にも痛みを来たし、夜間痛もよく見られます。
関節を強く曲げ伸ばしたり、運動時コツコツ音がしたり、関節炎で関節が腫れ、水がたまります。

診断

通常、症状と年齢・病歴により、最も頻度が高い関節症を疑います。

X線写真による骨棘形成、関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化、関節裂隙の消失などで診断します。
特に多発性病変が存在する例では、血液検査で炎症反応やリウマチ性病変の存在を否定し、必要なら採血による関節症マーカーを補助診断として用います。

治療

初期には、抗炎症薬や痛み止めの薬を服用したり、痛み止めの入った湿布剤やテープなどを貼ったりするとおさまります。
膝では大腿四頭筋力の強化訓練が有効です。
股関節では外転筋力訓練(横になり足を上に挙上する)が有効です。
関節内ヒアルロン酸など関節保護剤の注入も有効です。しかし、関節内へのステロイドの注入療法は、乱用すると関節破壊を強めることもあり注意が必要です。

膝では足座板、装具療法も有効です。

さらに進行した場合、関節鏡視下手術も有効です。痛みや変形が強い場合、膝や股関節では骨切り術や人工関節などの手術の適応となります。

予防と改善

変形性関節症の予防としては筋肉を鍛える、関節をいたわることが大切です。
関節を動かさずにいると、まわりの筋肉が衰えて動きが悪くなり(可動域がせまくなる)、痛みも起こりやすくなります。いくつになっても元気で歩くことができるよう、日頃から適度な運動を心がけ、膝のまわりの筋肉を鍛えておきましょう。また、せっかく鍛えた筋肉が固まってしまわないよう、簡単なストレッチや、定期的な水中ウォーキングなどの有酸素運動もおすすめします。
関節を痛みから守りたい場合は、普段の生活の中で負担をかけないよう心がけることが重要です。
関節を冷やさないこと・関節に負担がかかる急な動作を避けること・ケガをしないよう過度な負荷がかからないように注意することが大切です。

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