橈骨遠位端骨折

この疾患の診療科

特徴

・手関節周辺の骨折では最も一般的に発生する骨折。
・高齢者や小児が手を突いて受傷することが多い。
・前腕の2本の骨のうちの橈骨(とうこつ)が手首のところ(遠位端)で折れる骨折。

症状

・手首の強い痛み。
・短時間のうちに腫れて来る。
・骨の転位(ずれ)が大きければ外観上の変形も見られる。
・時間の経過とともに皮下出血が出てくることが多い。
・患部の熱感を感じることもある。
・折れた骨や腫れによって神経が圧迫され、指がしびれることもある。

診断

問診、視診、触診

画像検査
骨折の転位程度や関節にかかる骨折の有無になどよって治療方針が異なるため、画像検査によって骨折の程度と骨折型の分類を確認する。
〇単純X線
手関節正面、側面像にて骨折を確認する。骨折線が不明瞭なときには斜位像を追加する。比較のために健側を撮影(特に骨端線閉鎖前の小児)すると、診断の手助けおよび整復位の指標となる。
〇CT検査
関節内骨片の存在、転位の程度などが詳細に判断できる。
〇MRI検査
臨床的に骨折が疑われるがX線検査で骨折線が確認できない、いわゆる不顕性骨折に有用。

治療

保存療法
・折れた骨を引っ張るなどしてずれた骨片を元に戻す整復操作を行なう。
※とくにずれていない場合などは行わないこともある。
・ギプスやギプスシーネなどで固定。
・固定期間はX線像上骨折部が癒合するまで。大まかな目安として、小児で3~5週間、成人で4~6週間。
・固定しても骨片がずれて来るもの、手首の関節に面する骨折で一部がずれたままのもの、粉砕していて整復自体が困難なものは手術適応。
・予測される変形や機能障害の程度により手術の適応となることもある。手術法
〇経皮鋼線刺入法
手術にはX線で透視しながら、鋼線を刺入して骨折部を固定する。
〇創外固定法
手前の骨片と手首側の骨片にピンを刺入してそれに牽引装置を取り付ける。
〇掌側ロッキングプレート
骨折部を直接開けて骨片を整復してプレート固定する方法。リハビリテーション
・保存療法、手術療法ともに、術語は患肢は心臓より高く挙上して、肩関節、肘関節、手関節、指関節のうち、動かすことのできる関節は積極的に自動運動する。
・固定除去後は関節可動域訓練、筋力訓練を治癒経過に合わせて段階に行っていく。※保存療法、手術療法ともに骨癒合まで手関節部のX線検査を週1回、あるいは2週に1回行う。

予防と改善

転倒による受傷が多いため、転倒の予防。
高齢者では転倒予防のため、筋力、バランス機能の訓練が推奨される。また、骨粗しょう症の予防や治療、定期的な骨密度測定も行っておくとよい。