漢方

漢方薬は東洋医学として用いるお薬です。東洋医学は心身一如(しんしんいちじょ)、つまり心と身体を総合的に捉え、身体の全体的なバランスを図っていきます。漢方は複合成分で、複数の生薬を組み合わせた天然品が用いられます。作用はマイルドで副作用も少ないという特徴があり、症状改善を目指すには継続することが大切です。 漢方は不調の原因をその人の体質から考えます。同じ症状でも、その方の状態や年齢・体格によって合う漢方薬は異なるため、お一人おひとりに合わせたご提案をするために、きめ細やかなカウンセリングが必要です。

一人ひとりにあった漢方薬を見つけるための『ものさし』となるのが【証】です。体質や体力によって【証】を分け、各【証】にそれぞれの症状にあった漢方薬が展開されています。まずは下記のチェックシートで、ご自身の【証】をチェックしてみましょう。あてはまる数が一番多かったのがあなたの【証】です。
※実証と中間証が同数→やや実証、虚証と中間証が同数→やや虚証、実証と虚証が同数→中間証となります。

虚証中間証実証
体系は…華奢である中肉中背である筋肉質でがっしりしている
声は…細くて小さい普通大きくしっかりしている
ちょっと動くと…すぐ疲れるどちらともいえないまったく疲れない
肌は…さめ肌で荒れやすい普通つやつやしており、血色がよい
元気は…あまりないどちらでもないありあまっている
胃腸は…弱いほう普通丈夫なほう
食欲は…あまりない普通いつもある
爪は…爪に筋や波がある普通ピンク色でなめらか
便秘をすると…大して気にならないなんともいえないつらい

◆相談の多い症状
  ・ダイエット
  ・冷え性
  ・疲れやすい
  ・生理不順
  ・肌荒れ
  ・胃腸の不調
  ・花粉症
  ・めまい
  ・自立神経失調症

同じ症状でも【証】によって処方される漢方薬は異なりますので、お一人おひとりにあった漢方薬をご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。

病気になったときの治療はもちろん、いつもの毎日をもっとイキイキと過ごすためにも、
気になることがあれば、ご相談ください。

虚証タイプ

  • ●抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)

    虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症

  • ●八味地黄丸料(ハチミジオウガンリョウ)

    疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少または多量で、時に口渇がある次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ

  • ●補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

    元気がなく胃腸のはたらきが衰えて疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後の衰弱、食欲不振、ねあせ

  • ●六君子湯(リックンシトウ)

    胃腸の弱いもので、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすい物の次の諸症:胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐

  • ●人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)

    体力虚弱なものの次の諸症:病後・術後などの体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血

中間証タイプ

  • ●加味逍遙散料(カミショウヨウサンリョウ)

    体質虚弱な婦人で、肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘傾向のある次の諸症:冷え性、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症

  • ●五苓散料(ゴレイサンリョウ)

    のどが乾いて、尿量が少なく、吐き気、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ

  • ●半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

    気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、咳、しわがれ声

実証タイプ

  • ●防風通聖散料(ボウフウツウショウサンリョウ)

    腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘

  • ●柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

    精神不安があって、動悸、不眠などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症

  • ●桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)

    比較的体力があり、のぼせて便秘がちなものの次の諸症:月経不順、月経困難症、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)

  • ●桂枝茯苓丸料(ケイシブクリョウガンリョウ)

    比較的体力があり、時に下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴える次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ

  • ●黄蓮解毒湯(オウレンゲドクトウ)

    比較的体力があり、のぼせ気味で顔色赤く、イライラする傾向のある次の諸症:鼻出血、高血圧、不眠症、ノイローゼ、胃炎、二日酔い、血の道症、めまい、動悸、湿疹・皮膚炎、皮膚掻痒症

証に関わらず

  • ●芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)

    急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛

  • ●十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)

    化膿性皮膚疾患、急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹、水虫

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